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結論(この記事の要点)
- 金歯は火葬の高温(およそ800〜1200℃)でも、溶けても完全には消えずに残ることが多いとされています(金の融点は約1064℃)
- ただし、収骨後に遺族へ返してもらえるかは、火葬場・自治体によって対応が分かれます
- 気になるときは、火葬の前に係員へ率直に相談するのがいちばん確実です。恥ずかしいことではありません
まず、正直な気持ちから書かせてください。
「火葬のとき、金歯ってどうなるんだろう」——そう検索したあなたは、たぶん少し、後ろめたさも感じていませんか。
「こんなときにお金のことを気にするなんて、不謹慎かな」「ケチだと思われないかな」。そう思って、誰にも聞けずにいる方が、実はとても多いんです。
でも、大丈夫です。それは、ごく自然な疑問です。
私は認知症の父を介護して見送りました。火葬という慌ただしい場では、聞きたいのに聞けなかったことが、いくつもありました。だからこそ、同じように戸惑っている方に、正しい情報と、気持ちの整理の仕方を、静かにお伝えできたらと思います。
火葬で金歯は溶けてなくなるの?
いちばん多い疑問から。
金の融点は約1064℃、火葬炉は800〜1200℃
日本の火葬炉の温度は、おおよそ800〜1200℃とされています。
いっぽう、金が溶けはじめる温度(融点)は約1064℃、蒸発する温度(沸点)は約2850〜2970℃です。
つまり、火葬の温度で金歯は「溶ける」ことはあっても、蒸発して消えてなくなることは、まずありません。

「溶けても消えない」——金属が蒸発しない理由
金は、溶けて形が変わっても、蒸発してしまうほどの温度には火葬ではなりません。
なので、金歯は火葬後も、小さな金属のかたまりとして残ることが多いと言われています。

溶けたら消えちゃうのかと思ってた…残るのね

うむ。形は変わっても、金そのものは残るんじゃ
銀歯・入れ歯・インプラントも同じように残る
金歯だけでなく、銀歯・差し歯の土台・入れ歯の金属・インプラントなども、同じように高温で溶けたり残ったりします。
「うちは金歯じゃないけど…」という方も、歯科の金属が使われていれば、話は同じです。
火葬後、金歯は遺族が返してもらえる?
ここがいちばん気になるところですよね。正直にお伝えします。
収骨前は遺族のもの、収骨後は扱いが変わるという考え方
古い裁判(1939年の大審院判決)の考え方では、お骨を拾う「収骨」の前は遺族のもの、収骨の後は扱いが変わるとされています。
つまり、収骨のときにご遺族が金歯を拾って持ち帰れるかどうかが、ひとつの分かれ目になります。
実際の対応は、火葬場・自治体によって差があります
ここが大事なところで、返してもらえるかどうかは、火葬場や自治体によって対応が分かれます。
「遺族が希望すれば渡してくれる」ところもあれば、「収骨後の残骨灰は自治体で処理する」ところもあります。
なので、「返してもらえる」「もらえない」とここで断定はできません。あなたの地域の火葬場に確認するのが、いちばん確実です。
気になるときの聞き方——恥ずかしいことではありません
「でも、そんなこと聞きにくい…」という方へ。
こう聞けば大丈夫です。「火葬のあと、金歯などの金属は、こちらで受け取ることはできますか?」
葬儀社の担当者や火葬場の係員は、こうした質問に慣れています。あなたが失礼な人だと思われることは、ありません。聞いていいんです。
残骨灰に含まれる貴金属は、その後どこへ行くの?
「じゃあ、返してもらわなかった金歯は、どうなるの?」——これも自然な疑問です。
自治体が売却して、収入にしているケースがあります
火葬後に残る灰や小さな残骨(残骨灰)に含まれる貴金属は、自治体がまとめて売却し、収入にしているケースがあります。
報道などで公表されている例では、2023年度で京都市が約3億円、横浜市が約2億3千万円、名古屋市が約2億2千万円といった規模が挙げられています。金の価格が上がった近年、この金額は大きく増えているとされます。
何に使われているの?
こうして得られたお金の使いみちは、自治体によって異なります。横浜市のように斎場(火葬場)の設備改修に充てるところもあれば、一般会計の収入として扱うところもあります。
「故人の一部を売っている」という感覚と、どう向き合うか
この事実を知って、少しモヤっとする方もいると思います。「故人の一部を売っているみたいで…」と。
その気持ちは、とても自然なものです。
ただ、私はこう考えるようにしています。形あるものは、いつか形を変えていく。大切なのは、故人を思う気持ちのほうで、それは金歯があってもなくても、消えません。
火葬前に、金歯や入れ歯を外すことはできる?
「それなら、火葬の前に外しておけば…」と思う方もいますよね。
事前に葬儀社・火葬場に相談できます
金歯や入れ歯を火葬前に外すことについては、事前に葬儀社や火葬場へ相談できます。
無理に急がなくても大丈夫ですが、気になるなら、打ち合わせの段階で一度聞いてみるといいでしょう。
外した場合の選択肢
外した金歯や入れ歯は、副葬品として棺に入れる方もいれば、手元に保管する方もいます。
どちらが正解ということはありません。ご家族が納得できる形で大丈夫です。
手元に残った金歯、どうすればいい?
生前に歯科で外した金歯が引き出しに眠っている、あるいは収骨のときに受け取った——そんな方へ。

そのまま保管しておいても問題はありません
急いで何かする必要はありません。そのまま保管しておいても、まったく問題ないです。気持ちの整理がつくまで、置いておいて大丈夫です。
供養(お焚き上げ)に出す場合
「ただ捨てるのは気が引ける」という方は、神社やお寺、専門の業者でお焚き上げ(供養)に出す方法もあります。
費用は数千円〜が目安ですが、寺社・業者・数量によって異なります。なお、金属(金歯)は受け付けていない寺社・業者もあるので、事前に確認してください。
遺骨や手元にある金歯は、買取という選択肢もあります
そして、もうひとつ。
金歯は、金(ゴールド)として買取に出せる場合があります。歯科の金歯にはK14〜K20ほどの金が使われていることが多く、1本あたりおおよそ5,000〜30,000円程度が目安とされます(純度・重さ・その日の金相場によって変わります)。
「売るなんて」とためらう気持ちがあるなら、無理にとは言いません。
ただ、金はいま歴史的な高値圏にあります(相場は日々変動します)。使わないまま眠らせておくより、価値を知っておくことは、選択肢を持つことでもあります。査定は無料のお店がほとんどなので、金額を知るだけでも大丈夫です。
よくある質問(FAQ)
Q. 確認せずに火葬してしまいました。もう取り戻せませんか?
A. 収骨のあと、残骨灰が自治体で処理されている場合は、取り戻すのは難しいことが多いです。ただ対応は地域で異なるので、気になるなら火葬場に一度問い合わせてみてください。
Q. お金の話をするのは、やっぱり不謹慎でしょうか?
A. いいえ。金歯の扱いを確認するのは、故人を粗末にすることではありません。むしろ、きちんと向き合うことのひとつです。聞いて大丈夫です。
Q. 銀歯や差し歯、インプラントも同じ扱いですか?
A. 歯科で使われる金属は、火葬で溶けたり残ったりします。扱いは金歯とおおむね同じで、返してもらえるかは自治体・火葬場によります。
まとめ:見送った者として、今伝えられること
- 金歯は火葬の温度でも、溶けても完全には消えずに残ることが多い
- 返してもらえるかは、火葬場・自治体によって対応が分かれる=事前に確認を
- 聞くのは恥ずかしいことではありません。「金属は受け取れますか」と聞いて大丈夫
- 手元に残った金歯は、保管・供養・買取、どれを選んでもOK
火葬という場は、悲しみと慌ただしさで、頭が回らないものです。
聞けなかったこと、後から気づくこと、たくさんあります。それでも、あなたはちゃんと故人と向き合っています。どうか、ご自分を責めないでくださいね。


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